排便の回数が多く、水っぽく形のない便が出る状態が下痢です。
腸の水分吸収が不十分だったり、腸からの分泌物が増加したときなどに下痢を起こしてしまいます。
食中毒や腸内感染のように、突然起こり、短期で治まる急性下痢と、4週間以上続く慢性下痢の2種類に分けられます。
慢性下痢の場合、原因として他の疾患が隠れている場合があります。
日常生活から考えられる原因
食べ過ぎ、飲みすぎ
発熱を伴わない下痢はほとんどが飲みすぎ、食べすぎ、あるいは冷えが原因です。
疲れているときは特に消化機能が弱っているので、下痢になりやすくなります。
アルコールや刺激の強い食べ物
アルコールや、辛みの強い食べ物などを摂取すると、胃酸が多く分泌されすぎて、胃壁の粘膜を傷つけてしまい、腸のぜん動運動が高まりすぎて下痢を引き起こしてしまいます。
冷えによる消化機能の低下
冷たい物を飲みすぎるなどして胃腸が急激に冷やされると、胃腸の血行が悪くなり、消化機能が低下した結果、下痢になってしまいます。
また、冷え症によっても同様のことが起こります。
細菌やウイルス感染
食中毒や赤痢、コレラ、風邪など、細菌やウイルス感染が原因となり、急性下痢ひき起こすことがあります。
これらの感染性急性下痢の場合、発熱や腹痛、吐き気、嘔吐なども同時に引き起こすことが特徴として挙げられます。
ストレスによる腸の痙攣
ストレスなどで緊張が高まると、腸の動きをコントロールしている自律神経が乱れてしまいます。
腸が痙攣してしまうので動きがにぶくなり、下痢や便秘になってしまいます。
下痢を引き起こす疾患
過敏性腸症候群
腸と脳には密接な関係があり、脳が不安やストレスを感じると、その信号が腸に伝わって影響を与えてしまうことがあります。
その際おきる代表的な症状がIBS(過敏性腸症候群)です。
炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎と、Crohn病があり、いずれも何らかの原因で消化管の粘膜に慢性的な炎症を起こし、腹痛や下痢、発熱をきたす病気です。
潰瘍性大腸炎の方が血便の頻度が高く、Crohn病は比較的若い世代での発症が多く見られます。
大腸癌
早期の自覚症状としては便秘、血便などですが、進行すると下痢症状が出現してきます。
定期的な大腸内視鏡検査により早期発見早期治療を心がけましょう。
食中毒や風邪
サルモネラ菌やO-157、ノロウイルスなどによる食中毒、ウイルス感染による風邪、コレラや赤痢などに急性下痢の症状がみられます。
これらの疾患は同時に腹痛、発熱、嘔吐をともなうことが多いです。
日常生活の中でできる予防法
食べすぎ飲みすぎを避ける
下痢のほとんどの原因は食べすぎ飲みすぎです。
例えば辛いものや焼肉をたくさん食べれば下痢をひき起こします。またお酒の飲みすぎも下痢になることが多いので、飲酒は適量を心がけるようにしましょう。
ストレスを発散する
ストレスが原因となり、慢性的な下痢を引き起こしてしまいます。
ゆっくり休息する時間をとる、十分な睡眠をとる、ストレスを発散できる趣味を見つけるなどして、ストレスを溜め込まないように気を付けましょう。
タバコを控える
タバコに含まれるニコチンは、腸のぜん動運動を急激に促すので下痢を引き起こす原因になります。
喫煙されている方で下痢に悩んでいる人は、本数を減らすか、禁煙に挑戦してみましょう。
対処法
急性下痢のときは胃腸を休める
激しい下痢は、脱水症状を引き起こすことがあります。
冷たいものは刺激が強いので、うすい番茶、麦茶、ぬるめのミネラルウオーターを少しずつ何回にもわけて飲みましょう。
胃腸を休めるためにも、おかゆやすりおろしたりんご、野菜スープ、脂肪分の少ない鶏のささみや白身魚、卵を使った料理を食べましょう。
慢性下痢の場合は食生活を改善する
腸への刺激が少なく、消化の良い栄養価が高い食材を使って、体の抵抗力を上げていきましょう。
柔らかいご飯やうどん、さといも、じゃがいも、卵、鶏のささみ、柔らかい赤身の牛肉、白身魚、豆腐、納豆、バナナ、りんご、ヨーグルトといった食材を積極的に摂るようにしましょう。
また、牛乳などの特定の食品を摂取すると下痢になるという方は、その食品は避けるようにしましょう。
また、症状改善を認めない場合は一度医療機関にご相談ください。
市販の薬を使う
腸内のバランスを整える効果がある乳酸菌が含まれた整腸薬が有効な場合があります。
下痢にお悩みの方は、まず医療機関を受診しましょう
長期間の下痢、便に血が混じっているなど、下痢にお悩みの方は我慢せず、医療機関を受診しましょう。
当院では専門医が丁寧に診察いたします

当院院長は「日本神経学会神経内科専門医」と「日本内科学会認定内科医」の資格を有しています。
わかりやすい説明を心がけ、家族のように親身で適切な医療を行ってまいります。
皆さんがいつまでも元気で、自分らしく生きられるお手伝いをいたします。
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